「ぐっすり」という言葉の語源には様々な説がありますが、一般的には英語の「Good Sleep」に由来するという説が最も有名ではないでしょうか。
ところが「ぐっすり」という言葉は、日本が鎖国中であった江戸時代にはすでに使われていたそうです。
江戸時代に流通していた「即席耳学問」という書物には、以下の一文が記されています。
『其身六十にあまる比は、人も知る金持となりしを、ぐっすり息子に譲り』
「ぐっすり」という言葉が「すっかり」「そっくりそのまま」という意味で使われていました。
また江戸時代に創られた歌舞伎の演目「四十七石忠矢計」には
『又ぐっすり呑めるぜ、おい旦那は御如在がねえな』
という台詞があり、ここでは「十分に」「しっかり」という意味で使われていました。
「ぐっすり」という言葉は、日本に英語が入ってくる以前から様々な用法で使われていたようです。
この言葉の語源は、英語の「Good Sleep」ではないのかもしれませんね。
英語圏に在住される方のお話では、そもそも「Good Sleep」という言葉は無いそうで、正しくは「Have a good night's sleep.」と表現するそうです。
言葉も睡眠も、考えれば考えるほど奥が深いものです。